インタビュー記録SPC-■■■-4


対象:SCP-■■■

インタビュアー:ワン・チャーリー博士

付記:インタビューはSCP-■■■のいる洞窟にて高性能カメラと高性能マイクを搭載したドローン、財団の備品である折り畳み式テーブルと椅子を用意した状態で行われました。

〈20■■-01-29〉


ワン・チャーリー博士:今日もよろしくお願いします。


SCP-■■■:[2秒の沈黙]よろしくお願いします。


ワン・チャーリー博士:どこか優れないところでも?


SCP-■■■:眠いだけです。他はどこも悪くありません。


ワン・チャーリー博士:そうですか。もし無理そうであれば次の機会にしますが。


SCP-■■■:いえ、今日も受けます。


ワン・チャーリー博士:分かりました。今日は様々な文献をお持ちしました。■家と■家のそれぞれの子息でお間違えないですね?


SCP-■■■:はい。


[10秒の沈黙]


ワン・チャーリー博士:SCP-■■■?


[SCP-■■■の囁くような声。口の形からして名前を呼んでいるように見える]


ワン・チャーリー博士:今、何と?


SCP-■■■:なんでもありません。ただ、この子の名前がちゃんと載っているのを見て、嬉しくなっただけです。


ワン・チャーリー博士:そうですか。彼らとは会わなかったんですか?


SCP-■■■:会いました。


ワン・チャーリー博士:それはいつですか?


SCP-■■■:■■■■年に起きた事件の最中です。


[ワン・チャーリー博士が文献の中にある該当する事件を探す]


ワン・チャーリー博士:この事件ですか。


SCP-■■■:はい。あの子の運命の人が実の父親に濡れ衣を着せられてしまった事件です。


ワン・チャーリー博士:そうだったんですか?ここには■■■氏が自分の妻を殺害して自宅を燃やしたとだけ遺されていますが。


SCP-■■■:真実を知ったから書き直しただけです。話を戻しましょう。わたしはこの子たちがここに来ると分かっていたのでここを開けました。


ワン・チャーリー博士:ちょっと待ってください。ここを開けた?この洞窟は元々開けられたものではないんですか?


SCP-■■■:ああ、言い忘れていましたね。わたしはもう役目を終えたので洞窟を閉じませんでした。それから、湖も。あの湖はわたしが願わないと出てこないものですし、進む道を間違えても出てきません。でも、もう全て終わったので、全てを開けました。


ワン・チャーリー博士:[2秒の沈黙]そうですか。続けてください。


SCP-■■■:[微笑む]この洞窟に来てもらって、あの子と運命の人を見ました。あの子はとても強く育っていたし、運命の人も綺麗に育っていました。あの子なりの答えを連れてきてくれたんです。


ワン・チャーリー博士:その答えがこの方[1枚の文献を指す]なんですね。


SCP-■■■:はい。


ワン・チャーリー博士:その後は?


SCP-■■■:その後は、わたしが騒動を止めるために役目を果たしました。■■■が、ええと、どう呼べばいいのかしら。文献を読んでおられるなら分かると思いますが、邪祟を多く呼び起こしていたので、わたしがそれを止めました。


ワン・チャーリー博士:なるほど。その邪祟、というのは所謂霊というものですか?


SCP-■■■:霊というものではありません。この時代で代用する言葉があるとしたら、いえ、どれも当てはまらないですね。大まかに言えば化け物、としか。とにかく、その化け物を止めるために力を使い果たして、わたしは役目を終えました。


ワン・チャーリー博士:役目を終えた、ということは。SCP-■■■、あなたは一度死んだという認識で合っていますか?


[SCP-■■■は強く頷く。黒色の虹彩にはひとつの大きな星が瞬いているように見える]


ワン・チャーリー博士:一度死んだというのに、何故今は生きているんですか?


SCP-■■■:完全に死ぬためです。力を全て出し切って、今度こそ本当にこの世からいなくなるために、生き返りました。


[ワン・チャーリー博士の目が見開く]


ワン・チャーリー博士:警備員!今すぐ来てください!


[ワン・チャーリー博士による呼びかけで洞窟内にいた警備員がワン・チャーリー博士とSCP-■■■の元へ駆ける]


[SCP-■■■がその場で倒れる]

〈記録終了〉

〈終了報告書〉

インタビュー終了後、SCP-■■■は一時的に無力化しました。48時間後に覚醒しましたがその後16日の期間を設けてブドウ糖・ミネラル・ビタミン群配合の点滴などによる処置で療養させています。